土佐のアカメを=見たり聞いたり=巡る旅

 このコーナーでは、「アカメの国」のどこへ行けば、どんなアカメを見ることができるか、どんなアカメの話が聞けるか、アカメについて学べるかを紹介してみたいとおもいます。とても知名度が高くなって人気者になってきたアカメ、しかし、謎の部分が多いだけに誤解やおかしな思いこみもけっこう多いようです。いちどここを訪ねてみたら。ついでに土佐のあれこれについてもかるくご紹介。

《桂浜水族館》土佐のアカメの旅はここからです。この水族館はいわばアカメの老舗、アカメ飼育のパイオニアです。

     

(写真は2001.3.30 左の写真は桂浜水族館玄関に立つガイドとジパングツーリング誌記者田中さん、右の写真は(故)堀内誠さんとガイドとアカメたち)

 

 玄関をくぐって館内にはいるといきなり「ぎらり」と歓迎してくれます。紅く妖しく光る目、目、目。ぎょっ!として度肝を抜かれるかもしれませんよ。大型水槽にたくさんのアカメたちがその特徴ある目で群泳し出迎えてくれるのです。このアカメたちは飼育担当の堀内誠さんが近くの浦戸湾で釣ってきたものが多いそうす。堀内さんは釣りは大好きな方なのですが、飼育しているアカメについてお話をうかがったときに「アカメ釣りはおもしろいでしょう?」とお聞きすると「飼育、展示用に釣るときはおもしろくも何ともない、釣りを楽しむよりも生かすことを考えんといかんのでサオも糸も太いものを使ってとにかく早く取り込んで水槽に入れんといかんので」とのことでした。思いますに、これは釣りの楽しみとはまた別の楽しみ、面白さなのでしょう。

 堀内さんは優しい人なので時間さえ許せばアカメについての疑問には答えてくれる(但し釣りのポイントなどはダメ?)と思います。彼はイルカショーの指揮者などもやられていますのでかなり忙しいのです。この水族館では人気のイルカショー、アシカショーなどもおこなわれており、たくさんの珍しい魚や海獣、水辺の鳥類などが飼育展示されています。

(桂浜 一口メモ)

 水族館のある桂浜は月の名所としても知られ土佐にとどまらず四国を代表する観光地です。桂浜貝類博物館、和服を着てブーツを履き右手を懐に入れ太平洋の大海原を見つめる坂本龍馬像、坂本龍馬記念館、土佐闘犬センター(ここにも小型のアカメが飼育されています)などがあります。

                          =訃報= 

 悲しいお知らせです。桂浜水族館のアカメ飼育の先達、堀内誠さんが2002年1月13日、亡くなりました。46歳という若さでした。堀内さんは青年の頃、癌の手術を受けられその後20年余病魔と戦い続けられて最後まで壮絶な努力をされたそうです。釣りをこよなく愛し魚を愛したやさしい堀内さん、もう水族館へいってもお会いすることはできなくなりましたが彼がだいじに育てられていたアカメたちはいつまでも私達をドキッとさせながら迎えてくれるでしょう。

 堀内誠さん、ありがとうございました。


 《四万十川・中村市》

  高知市から車で約3時間半(昼間ゆっくり走ると4〜5時間)、四万十川下流に開けた中村市に着きます。四万十川は西日本では屈指の規模で、流域面積では四国三郎・吉野川にゆずりますが主流の長さでは中国の江の川と吉野川を抜いて首位の大河です。最後の清流とうたわれますが実際は厳しい現実があり、発電用ダムの撤去運動なども大きなうねりになってきていますがまだ実現には至っていません。昔の四万十川の面影は全くなくなった、汚れた、魚がいなくなった、水量が減った・・・日本全国どこでも聞かれる嘆きの声がやはり四万十川といえども例外ではないのです。ただ、まだ今なら取り返しがきくはずです。周辺自治体も県も四万十川の自然を守り取り戻そうと努力がされていますし、なにより地域住民がこの貴重な川を大切に思い愛しているのですから。

 そして、下流の汽水域にはシンボルともなったアカメがいます。アカメは今、大活躍。最近完成した最下流の四万十大橋にはアカメの大モニュメントが橋の欄干をかざり川を見守っています。土産物店には所狭しとアカメグッズの数々が並んでいます。アカメ館というアカメの名前を冠したお店まであります。ある団体の試算ではシーズン中にアカメを釣りに訪れる釣り人の延べ人数は4桁になるであろうともいわれています。こうしたアカメを求めてやってくる人々のもたらす経済効果は中村市にかぎらず東部にもたくさん訪れていますので県全体にかなり大きなものになるようです。 

 

       (写真:その名もズバリ 雨の日のアカメ館とそのお店の中の水槽で飼育されているアカメの若魚たち)

            アカメグッズの数々(01.3.31撮影)

(テレホンカード、バンダナ、タオル、箸置き、キーホルダー等など)

 つづく