アカメの国の広報室
2012年6月19日予定の「アカメと浦戸湾」は台風の接近で延期になっていましたが、7月17日(火)場所:高知市民文化プラザ かるぽーとで18:30〜20:00に行うことになりました。「アカメの国」のガイド長野が講演します。当日だけでも受講できます。8Fで受付、会場は11Fです。
在学期間:2012年4月3日〜2012年7月20日
場所:高知市民文化プラザ かるぽーと
曜日と時間:自然科学コース 火曜日
:社会科学コース 金曜日 両コースとも18:30〜20:00
募集人員:各コースとも80名(先着順)
授業料:1コース2,800円(テキスト代500円含む) 2コース 4,800円 (テキスト代1,000)
:1日だけの受講も可能 各回500円(当日8階文化振興事業団で受付)
講座:講義(質疑応答、意見交換を含む)
申し込み:2012年3月8日(木)から高知市民文化プラザ8階文化振興事業団で受付ます。(月曜休館・ただし月曜が祝日に当たる場合は会館)
高知市九反田2-1 TEL0888-883-5071 FAX 0888-883-5069
その他:講義の過程は下記のとおりですが、講師の都合、天候等のやむを得ない事情で予定を変更することがありますので、あらかじめご了承ください。最終日は講義終了後に閉講式を行い、規定の受講日数に達した受講生には修了証書を授与します。
会場には有料駐車場があります。(30分ごとに150円)
火曜日・自然科学コース『高知市の自然と文化-鏡川から浦戸湾の自然を中心に』 金曜日・社会科学コース『不安渦巻く日本社会の現状と課題』
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4月3日 |
源流から河口までの地質と地形 |
高知大学理学部教授 吉倉 紳一 |
4月5日 |
不安渦巻く日本社会の現状 -不安をもたらす原因は、希望の持てる方策・生き方を求めて- |
高知大学名誉教授 岩田 裕 |
4月10日 |
流域の植生史 |
高知大学理学部准教授 三宅 尚 |
4月13日 |
化学物質による環境汚染と改善策 |
高知大学総合教育センター准教授 立川 明 |
4月17日 |
河辺植生と植物相 |
高知大学理学部教授 石川 愼吾 |
4月20日 |
大地震・津波の不安とそれへの備え -東日本題意震災からの教訓(1)- |
高知大学理学部教授 岡村 眞 |
4月24日 |
水棲昆虫から見た鏡川 |
環境の杜こうち副理事長 石川 妙子 |
4月27日 |
TPPは地域に何をもたらすか |
高知大学人文学部教授 岩佐 和幸 |
5月1日 |
鏡川と浦戸湾周辺の陸上昆虫 |
高知昆虫研究会会長 中山 紘一 |
5月11日 |
食の安全・安心を脅かすものは何か |
高知短期大学名誉教授 福田 善乙 |
5月8日 |
環境指標としてのキノコ・地衣類 |
高知大学理学部准教授 岡本 達哉 |
5月18日 |
現代山村の現状と地域の再生 -限界集落を中心に- |
長野大学環境ツーリズム学部教授 大野 晃 |
5月15日 |
両生類と爬虫類の覚え書き |
わんぱーくこうちアニマルランド園長 渡部 孝 |
5月25日 |
大震災からの復旧・復興に果たす協同組合の役割 -東日本大震災からの教訓(2)- |
高知県生活協同組合連合会代表理事会長 宮本 正気 |
5月22日 |
蘚苔類の世界をかいま見る |
高知大学理学部准教授 松井 透 |
6月1日 |
フクシマ原発事故の検証 -東日本大震災からの教訓(3)- |
高知大学名誉教授 岩田 裕 |
5月29日 |
鏡川の魚類相 |
西日本科学技術研究所 生物研究室研究員 高橋 弘明 |
6月8日 |
原子力の代替エネルギーの可能性 -東日本大震災からの教訓(4)- |
高知大学名誉教授 岩田 裕
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6月5日 |
哺乳類の話し |
四国自然史研究センターセンター長 谷地森 秀二 |
6月15日 |
日本政治の混迷と課題 |
高知短期大学名誉教授 刈谷 仁 |
6月12日 |
浦戸湾の干潟と底生動物 |
高知大学教育学部准教授 伊谷 行 |
6月22日 |
医療・介護の不安と解決策を求めて |
高知県立大学社会福祉学部教授 田中 きよむ |
6月19日 |
アカメと浦戸湾 |
アカメと自然を豊かにする会代表 長野 博光 |
6月29日 |
年金の不安と払拭の方策は |
高知県立大学社会福祉学部教授 田中 きよむ
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6月26日 |
浦戸湾の魚類と甲殻類 |
四国自然史研究センター理事長 町田 吉彦 |
7月6日 |
雇用不安はなぜ生じるのか |
弁護士・高知法律事務所 谷脇 和仁 |
7月3日 |
誰が浦戸湾を救ったか -科学者の役割- |
浦戸湾を守る会事務局長 田中 正晴 |
7月13日 |
地域公共交通と魅力あるまちづくり |
NPO高知市民会議交通まちづくり部会会長 土居 貴之 |
7月10日 |
浦戸湾と地震 -孕のジャンを中心に- |
高知大学名誉教授 鈴木 堯士 |
7月20日 |
総合討論 |
複数講師 |
浦戸湾を死の海から救った歴史に残る「公害闘争」から、はや40年になります。
アカメと自然を豊かにする会も自然を守り、自然を豊にすることこそ、アカメやヒトが豊になると「浦戸湾を守る会」の活動に協力協同しています。
浦戸湾でアカメ釣りを楽しむ釣り人々、アカメを愛する人々、自然を豊にしたいと願う人々へ是非、ご参加をお願いします。
高知パルプ生コン事件40周年記念シンポジウム
高知市を水辺の街へ
早いもので、来る6月9日は高知パルプ生コン事件から40年目となります。
当時の赤茶けた浦戸湾はしっかりとよみがえり、その浦戸湾には希少種のアカメが日本のどこよりも多く生息する海になっています。高知市中心部に近い水辺にはトビハゼやシオマネキが生息し、その周辺には幕末・明治の史跡も多くあります。このよみがえった自然と史跡を生かした街づくりを、皆様とともに考え、探っていきたいと思います。是非ご参加ください。
日時 2011年6月5日(日曜日) 13時〜17時
場所 サウスブリーズホテル 菜園場電停より南に、堀川沿いに歩いて3分。駐車場はありません。
参加料 無料
プログラム
あいさつ 山崎広一郎 (浦戸湾を守る会相談役)
生コン事件をふりかえる 田中正晴(浦戸湾を守る会事務局長)
基調講演
町田吉彦 (高知大学名誉教授)「希少種の宝庫、浦戸湾」
陣内秀信 (法政大学教授) 「川を活かし、水に親しむまちづくり」
パネルディスカッション 「自然と歴史で街づくり」
陣内秀信 (法政大学教授) アドバイザー
町田吉彦 (高知大学名誉教授) 「希少種の宝庫、浦戸湾」
吉澤文治郎(ひまわり乳業社長) 「高知の街を想う、愛する」
山本良喜 (はりまや橋商店街振興組合事務局長) 「はりまや橋商店街の取り組み」
林建紀 (菜園場商店街振興組合理事) 「半平太に魅せられて」
司会 田中正晴
基調講演者紹介
町田先生は水生動物学がご専門で、近年浦戸湾の生物を研究されて論文を発表され、その中で浦戸湾の回復宣言をされました。
陣内先生はベニスなどの地中海世界の都市を研究されてこられました。「水の都市」として東京を世界の他の水の都市と比らべながら、21世紀の水の都市として再生させるためのシナリオを考える研究を行っておられます。
主催 浦戸湾を守る会
連絡先 高知市若松町10-46高生連気付 088-880-0701
※このシンポジウムは(財)高知新聞厚生文化事業団の助成事業で開催されます
(この文書は浦戸湾を守る会のものをそのまま転載させていただきました)
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●高知の植物=牧野博士の愛した草花 藤川和美:((財)高知県牧野記念財団高知県立牧野植物園) ●土佐湾周辺の海藻植生の変遷〜プロジェクト M〜の中間報告 平岡雅規(高知大学海洋生物研究教育施設)、田井野清也(高知県水産試験場)田中幸記((財)黒潮生物研究財団黒潮生物研究所) ●高知のほ乳・鳥・爬虫・両生類雑記 谷地森秀二(四国自然史科学研究センター) ●浦戸湾の生物たち 町田吉彦(高知大学理学部) ●高知(四国)の造礁サンゴの特性と人工増殖の取り組み 岩瀬文人((財)黒潮生物研究財団黒潮生物研究所) ●高知県西南端の島・柏島〜海の森づくり〜 神田 優(特定非営利活動法人黒潮実感センター) ●高知の自然を生かしたこれからの地域社会の方向 高橋正征(東京大学名誉教授、高知大学名誉教授) |
〒784-8520 高知県高知市曙町2-5-1 高知大学理学部生物科学コース 日本植物学会第72回大回準備委員会事務局 大会準備委員長 峯 一朗
088-844-8356(直通) FAX088-844-8356(代表)電子メール kochibsj@kochi-u.ac.jp
「アカメの国」長野博光
「釣りの行方」細川裕史
時下、皆さまにおかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、標記の件につきましてお知らせ致します。
ご承知のこととは思いますが、宮崎県では県条例により、2006年4月1日からアカメが全面的に捕獲・殺傷禁止となりました。高知県でもこの7月希少種保護条例が公布され、「種の選定作業」が専門家委員会で行われていますが、現時点では、アカメが希少種に指定されるかどうかは定かではありません。
細川と長野は、今年の夏頃から高知県当局にアカメについて何度か問い合わせを行い、県が依託したアカメの調査経過と結果について、情報公開法に基づいて公開を請求し、情報を開示してもらいました。また、長野は高知大学の町田先生との連名で、高知県レッドデータブックでのアカメのカテゴリー指定に関する疑義を県へ提出するなど、釣り人としての対応を実行してきました。
その一つの区切りとして、来年1月14日(日) AM10:00から高知市立自由民権記念館にて「釣り人による アカメ・ミーティング」を開催する次第です。
開催の理念として、
◎高知県の自然の象徴であるアカメの生態解明などに関し、県や研究者と釣り人が協働していくきっかけにする。
◎日本の、そして高知のアカメの現状と、これから釣り人がアカメとどう付き合うべきかについて議論を深める。
の2点を設定します。
この2点につきまして、多くの釣り人による忌憚のないそして建設的な意見交換の場にしたいと存じます。
また、長野と細川は、当日の皆さまのご意見を集約し、ただちに高知県文化環境部自然共生課へ提出を致します。
なお、パブリック・コメントの募集は、1月下旬予定とのことです。パブリック・コメントの募集につきましては、期日が決定次第、長野が開設しているホームページ「アカメの国」でお知らせ致します。
皆様のご参加を心からお待ち申し上げます。
連絡先:細川裕史 Mail:sanpeimihira@yahoo.co.jp
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会議での私の話の内容(予定)についてです。
釣り人に愛されてやまないアカメ、いまこの魚を釣るということが問われています。
アカメに魅せられて20年余、アカメが減少することなくいつまでも釣り人と対峙してもらいたいと思ってきました。アカメは生態がいまだに不明なところが多く悩ましいところですが、色々とアプローチしてきた中で大事なこともわかりました。 こうすればアカメは増えるという決定的なことがわかったのです。この会議でご報告します。
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月に向かってジャンプするアカメ
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この会議のために、細川さんが彼の友人、小川健太郎さんに依頼してくださり完成したイラストデザインです。「満月の中でほぼ垂直になって(考えているような)アカメ」のイメージで制作をという注文をしたそうですが、見事なイラストに仕上がっています。 制作者ご本人の小川健太郎さんに許可をいただいて「アカメの国」で使わせていただけることになりましたのでご紹介します。 小川さんは「小川健太郎釣りペイジ」というホームページをつくって情報発信されています。 2006.12.25 |
つづく
アカメ幼稚魚の乱獲防止対策について
その、質問と答弁について全文を掲載します。
03年3月6日 公文豪議員 一般質問
公文 豪議員
次に、アカメ幼稚魚の乱獲防止対策について質問をいたします。
1月末のローカルニュース番組で、鏡川下流部で全国の都市河川では極めて珍しいコアマモの大群生がみつかり、アカメの稚魚もみつかったという特別番組が組まれました。
言うまでもなくアカメは環境庁評価で準絶滅危惧種とされ、高知県評価でも絶滅危惧IA類とされる稀少魚であります。『高知県レッドデータブック』は、「日本の固有種であるアカメは、その全国的分布からみても中心地であった浦戸湾と仁淀川において、1950年以前と以後を比較すると数十分の1〜100分の1の激減と判断される。減少の最大の要因は水質の汚染と、幼稚魚の保育場となるアマモ場の埋立てなどによる消失と汚濁である。また、現在もっとも生息密度が高い四万十川流域での減少は、上記二つの要因に加えて観賞魚としての売買を目的とした幼稚魚の乱獲が原因である」と指摘しています。実際、四万十川産とされるアカメの幼稚魚は全国の熱帯魚店やネット販売を通じて異常な高値で取引されております。今年2月、私が確認した京都のネット販売業者の広告では宮崎産25センチのアカメが超特価で3万3600円、別のHPでは、四万十川産六センチのものが2万5000円、45センチのものが6万9000千円もの高値となっておりました。バブル経済の当時、大型魚が人気を博し、四万十ブランドのアカメが1センチ1万円と言われた当時から見ると価格は下がっているとはいえ、大体、他の観賞魚の価格は高いものでも3000円程度、圧倒的に数百円のものが多いなかで、アカメの幼稚魚の価格は仰天するほどの高価格で取引されており、その過熱ぶりは異常であります。稀少魚であるが故の価格とはいえ、全国でも本県と宮崎県を主な生息域とすると言われるアカメの幼稚魚が何の規制もなしにこのような超高値で取引されている実態を承知しているか。また、この現状をどのように受け止めているのか、お聞きしたい。
矢口高雄氏の「釣りきち三平」以来、アカメと言えば四万十川が全国的に有名でありますが、実は安芸川(注)や奈半利川など県東部の各河川でもアカメはルアーフィッシングの対象魚となっています。ところが、県東部の各河川にはアカメの幼稚魚の成育に必要なコアマモの群生地はありません。従って、これまで県東部のアカメの揺籃の地は浦戸湾の汽水域だろうとみられてきました。今回の調査結果はそれをあらためて実証するものであります。
『高知県レッドデータブック 動物編』では、「分布の中心地であった浦戸湾の生息地が破壊された今、現在の分布中心地である四万十川本流と支流竹島川ならびに仁淀川の水質とアマモ場を保全し、幼稚魚の乱獲を厳重に規制すべきである」ときびしく指摘しています。私は、四万十川、仁淀川のみならず浦戸湾全域も含めて実態調査を急ぐとともに、少なくともアカメの幼稚魚については、商取引を目的とした採捕は全面的に禁止すべきだと考えます。県は、そのためにアカメ幼稚魚保護条例を早急に策定すべきだと思うがどうか。また、アカメのみならず水辺の生物環境に多大な役割をはたしているアマモ場の保全、育成をはかることが重要であると考えますが、文化環境部長の所見をうかがいます。
尾崎文化環境部長
公文議員の御質問にお答えします。アカメ保護問題について、まず、アカメの取引の実態についてお尋ねがありました。
お話にもありましたように、アカメは県レッドリストでも絶滅危惧度が最も高い絶滅危惧TA類に指定されております。これが、観賞用の目的で稚魚が採捕され、取引されていることがあるようだ、とは聞いておりましたが、その実態については十分に把握できておりませんでしたが、このことにつきまして、先月、2月23日から、のいち動物公園で開催されています高知県レッドデータブック動物展の講演会の中でも、講師から四万十川産のアカメは、約10cmぐらいの稚魚が(ペットショップでは)相当の高値で売られているという話がありました。
絶滅が危惧されているアカメがこのように採捕され、取引されている状況は大変問題だと考えております。
次に、アカメの保護とアマモの保全に関するお尋ねにお答えします。
高知県レッドデータブックで公表された希少動植物の保護対策については、来年度、学識経験者等の専門家を交えた仮称ですが、高知県種の保存条例対策検討会を立ち上げる予定で関連予算の要求もしております。
この会では、お話のアカメも含め希少動植物の捕獲の禁止も含めた具体的な保護対策について検討を行うことを考えています。
併せて、検討の結果、緊急に保護すべき希少動植物については、生息・分布調査を行うなど、必要な保護対策も実施していきたいと考えています。
次に、アマモなどの藻場は、生物の生息や生育の場として、また、繁殖の場として重要な役割を担っております。
このため、高知市では本年度、県の「豊かな環境づくり総合支援事業」を活用し、浦戸湾におけるアマモの生態や分布状況の調査をしております。
こうした調査結果なども参考にしながら、関係機関とも連携して、他の汽水域の藻場についても、その生育環境の保全と再生について取り組んでまいりたいと考えております。
(注)安芸川とありますが、河川内での釣りではなく、河口の海側のことです
「本日、2000年8月4日をもってわが「アカメの国」もめでたく建国二周年をむかえることができた。引越騒ぎでカウンターをガイドが壊したりしたが、この間、延べ40000人ほどの人々にわが国を訪問していただいた。国際情勢もきびしく、環境も悪化の一途をたどるなか無事二周年をむかえられたのは、ひとえにアカメの国を支えて下さるアカメ大好きな釣り人をはじめ、環境と自然を守ろうと日夜努力する人々のおかげである。わが国はこれからも国民主権を守り、世界中のラテス属、魚族の仲間とともにまたわが国を支持してくださる世界の人々と手を結び自然豊かで来てよかったと喜ばれる美しい国を目指すことを宣言する。」
初代アカメ大王カメカメルアー
2000/7/20:アカメの標識放流
幻の魚「アカメ」の展示と放流実施要領(平成12年度)
*日時 平成12年7月20日(木)海の記念日 9:00〜11:00
*場所 高知港岸壁(ブルーハイウエイラインターミナル前)
*内容 浦戸湾で捕獲された「アカメ」の展示したあと、高知県所属船舶「くろしお」から放 流を行う。 アカメ 7尾 体長約30cm
<展示>高知港岸壁(ブルーハイウエイラインターミナル前)9:00〜10:30
<放流>高知港岸壁高知県所属船舶「くろしお」船上から。11:30
愛媛のおさかな館に里子に出してあったアカメ達が成長したのでこんど7/20に古里の浦戸湾に標識放流することになりました。
港まつりの行事の一環として計画をすすめているようでにぎやかなことになりそうです。
頑張れアカメ!
早いもので98年4月15日に愛媛県松野町 虹の森公園の「おさかな館」へ調査のために飼育していたアカメの稚魚たちを里子にだして2年あまりも過ぎてしまった。腰痛で手術のため入院することになり、アカメたちをどこかに預けなければならなくなった。パソコン通信で里親を募集していたところ、「おさかな館」の館長さんから預かっていただけるとお声をいただいたのである。
アカメ達は高知市の浦戸湾で97年に捕まえた8尾と県西部で95年に捕まえた一尾でその一尾は太郎アカメと名付けていた。太郎アカメは京大の調査活動に参加したとき捕まえたもので採集したときは全長が27センチほどであったが成長し50センチほどにもなり、標識を付けて放流を考えていた。また10センチ前後のちびアカメたちも30〜40センチになったら標識放流を予定していたのだった。
「おさかな館」の申し出は太郎アカメは種苗生産の為の研究に参加させたいがチビちゃんたちは30〜40センチになったあかつきには1尾を残して後は標識放流するということでどうだろうか?という提案であった。わたしとしては渡りに舟であり、ありがたいお話であった。病院に入院する前日、大きなタンクを乗せたトラックでアカメ達は土佐を後にしてはるばると愛媛県の四万十川上流の町、松野町へ向かった。「おさかな館」は現在、日本一のアカメの展示数をほこっており大学の研究者とともにアカメの人工種苗生産や自然産卵をめざして研究を続けている。
さてそのアカメだがいまでは四万十川とともに有名な魚になってはいるがその生態についてはいまだに謎が多い。鹿児島県から静岡県まで太平洋岸で多く確認されているが主な生息地は宮崎県・高知県の沿岸である。環境庁のレッドデータブックでは希少種とされているが、その資源量や生態は不明のままだ。現在、仔稚魚の生態はだいぶ解明されており、全体像についてもわれわれの研究で徐々に明らかになりつつあるがまだまだベールに包まれてい
る。
現在、日本ゲームフィッシュ協会(JGFA)がゲームフィッシュの調査の一環としてアカメの移動や成長を解明するため標識放流に取り組んでおり数十尾が標識放流され数例の再捕記録がある。高知県内では全日本希少魚保護協議会という民間団体が四万十トンボ自然館で保護育成したアカメの幼魚数尾に標識をうち放流した例がある。わたしも年齢査定と移動等について調査をしておりJGFAの会員でもあるのでここの標識を提供していただいてこの活動にとりくんでいる。昨年は釣り人の協力も得て3尾のアカメを標識放流することができた。この活動が広がればアカメの生態解明の大きな手がかりが得られると期待している。
今回の飼育魚の放流であるが、研究者のなかには人工飼育して育てたアカメを標識放流しても、まっとうなデータが得られるかどうか怪しいものだと否定的な見解を述べる方もいる。しかし、それはそれなりに分類して蓄積していけばまた貴重なデータとなると思われる。
ゲームフィッシュとして段々人気を高めているアカメを求めて全国から多くの釣り人が土佐を訪れる。前出の全日本希少魚保護協議会の試算では四万十川にアカメを求めてくる全国各地の釣り人の数は年間4桁をこすであろういわれているし、高知県全体を見ると年間数千人の釣り人が訪れているとおもわれる。
アカメ属の大部分はアフリカに棲む。人類の発祥の地といわれる大地溝帯あたりに多い。ある人は「ヒトがアカメに魅せられるのは脳幹の深奥に太古の記憶が刷り込まれているからだ」という。
ヒトを引きつけてやまないこの魅力ある大魚アカメが絶滅の心配などないようにするために私たちはどうすればよいのだろうか?そのためにもその生態を明らかにしていきたいものだ。
今年の夏にはおまえ達のふるさと土佐の海に放いちゃるぞ。
頑張れアカメ!
主催 高知市桟橋通5丁目4-55
高知みなとまつり実行委員会(四国運輸局高知海運支局内)
愛媛県松野町(財)松野町観光公社
ガイドがタグを打ちます。
1999/8/4:建国一周年に臨んでのアカメ大王の声明発表
1999年2月21日(日)、アカメフォーラムが開かれました。学術的な分野から、また地元高知県で保護活動に取り組んでいる団体などの多彩な講師陣と80名ほどの参加者で、アカメをどう保護していくかをテーマに講演・討論がおこなわれました。アカメの国のガイドも釣り人の立場から発言しました。
講師陣とおさかな館関係者です。ご紹介をします。
上段右端、(株)西日本科学技術研究所:藤田真二さん、右二人目、横浜八景島シーパラダイス顧問:堤 俊夫さん、三番目、黒潮福祉専門学校校長:澤良木庄一さん、四番目、インドネシア国立ハサヌュディン大学付属臨海実験所所長:イクバル・ジャワドさん、五番目、ルポライター:多田 実さん、六番目、(トンボと自然を考える会 会長:杉村光俊さん、七番目、全日本希少魚保護協議会 会長:岡田光紀さん、八番目、松野町長:柳野大和さん、左端、同助役:阪本壽明さん
下段右端、松野町虹の森公園おさかな館:津村英志さん、二番目、京都大学大学院在学中:内田喜隆さん、三番目、九州大学農学部附属水産実験所助手:吉松隆夫さん、四番目、アカメの国のガイド:長野博光、左端、虹の森公園支配人:岡本実男さんです。
雪のおさかな館にて、左からインドネシア国立ハサヌュディン大学講師のイクバル・ジャワドさん、アカメ研究者 林さん、「アカメの国」のガイド。
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おさかな館でガイドを迎えてくれた、里子に出しているちびアカメたち。この水槽の10尾のうち小さめの8尾が里子のアカメたちです。家の水槽にいたときよりはずいぶん大きくなっていました。みんななつかしそうに?私を見てくれました?。現在、全長は約20センチぐらいでしょうか、40センチ前後になると保育所のある元の場所に標識放流する予定です。元の海に帰れる日をまっちょれよ!! |
アカメフォーラムのご案内 虹の森公園 おさかな館
アカメの保護を主題に、「アカメフォーラム」を開催いたします。皆さま
のご参加をお待ちしています。
日時 平成11年2月21日(日)10:00〜17:30
会場 松野町コミュニティーセンター
プログラム
10:00〜10:05 開会挨拶
10:05〜10:10 講師紹介 津村英志(おさかな館)
アカメフォーラム講演
10:10〜10:55 境界線上の動物達「アカメ」
多田実(小学館)
10:55〜11:40 アカメ(LatesJaponicus)の飼育環境による鰓蓋縁片の変化について
*堤俊夫(横浜八景島シーパラダイス),津村英志(おさかな館)
11:40〜12:25 インドネシアの人々とアカメ
Dr.M.Iqbal Djawad(国立ハサヌュディン大学)
昼休憩
13:00〜13:45 四万十川の魚達とアカメ
藤田真二((株)西日本科学技術研究所)
13:45〜14:30 アカメの産卵生態
内田喜隆(京都大学大学院博士課程)
休憩
地元のアカメ保護活動から
14:40〜15:00 土佐レッドアイ 長野博光
15:00〜15:20 水辺利用の会 澤良木庄一
15:20〜15:40 全日本希少魚保護協議会 岡田光紀
15:40〜16:00 アカメサミット 杉村光俊
休憩
16:10〜17:30 総合討議
コンビーナー 吉松隆夫(九州大学)津村英志(おさかな館)
協賛 愛媛県市町村振興協会 (財)河川環境管理財団
申込み方法
受付期間 2月1日〜2月16日
申込方法 虹の森公園管理事務所へお申し込みください。(0895−20−5006)
備 考 昼食はお弁当をご用意する予定です。申込み時にご予約ください。(価格未定 千円程度)
(付近には飲食店は数件しかありません。)