ガイドが参加しているルアーフィッシングのクラブです。定員は三名でずっとやってきました。えらい個性が強い頑固者の集まりで、これ以上人数が増えると収まりがつかないという危惧から、最初から定員三名です。早いものでこの三人がフィールドで出会ってもう二十数年(2000年当時)がたちます。メンバーの共通点はお魚大好き人間ということで、釣るのはもちろん、見る、飼う、食べると魚を骨まで愛していることです。海に限らず淡水のルアー・フライ・エサ釣りまでやります。どんな釣りでもやりたいと思っていますが、ガイドはブラックバスの釣りだけはやりません。
大坪保成 (おおつぼ やすなり) 1955年生まれ ルアー・フライだけでなく何でもこなす釣り師。
それぞれのパートで一流の域。特にアユの友釣り
に熱中、名人の域。
高知県安芸市在住
内川昭二 (うちかわ しょうじ) 1955年生まれ 土佐レッドアイのリーダー。釣りは海・川・船。ルアー・フライ・エサ釣りと何でもこい。 高知県安芸市在住
長野 博光 (ながの ひろみつ) 1950年生まれ アカメの国のガイド。 ほとんど海のルアー。船・エサ釣りもたまに。川はアメゴのルアー・フライ・エサ釣り、アユの毛針釣りをやっていたが最近はご無沙汰。 アカメの生態解明と繁栄のための行動がライフワーク。 高知県安芸市在住
はて?何十年ぶりじゃろうか(2017.8.5) 何十年ぶりかでフィールドで一緒になった土佐レッドアイ いつものポイントへと行くと、一足先に内川さんが車から降りるところでした。ポイントを見ると先行者が2人います。停まっていた車を見るなり内川さんが「こりゃあ大坪じゃ」というのです。もう一人は義兄でした。現場について3人が揃ったことを祝いました。大坪さんはここしばらくの増水でアユ釣りができないため、スズキ釣りをやっていたのだそうです。現役時代?昔とても激しく釣りをしていた頃は、今日はここじゃと出かけると、いつの間にか3人が揃うというのが日常でした。
いつの間にか、大坪さんはアユ、内川さんは船やらスズキ、私はアカメとそれぞれつきつめる方向が少しずつ違ってきて、フィールドで出逢うことが少なくなっていました。おまけに私は釣りを13年あまり封印。ヒラスズキを狙って同じポイントで出くわすというのはわたしたちにとって凄いことだったのでした。
あそこで釣った。そこで釣った。このロッドはああのこうの、ルアーの話しなど情報交換。
大坪「先日、○○でヒラを釣った」 内川「あそこはオレが温存しちゅうがやに」 長野「知らんがじゃろう。いっつも条件のえい日は誰かやりゆうぞ」。
話は尽きません。その場でしばらくおしゃべりしながら釣りを続けたものの全員ノーヒット。大坪さんと内川さんは揃ってあるポイントへ移動するといいます。私は連日のキャストで疲れていたので、その場で別れました。後で釣果を聞くと、2人ともヒラスズキを1尾づつキャッチしたそうです。
アカメがきた(2017/8/4 掲載)アカメ調査のため封印していた釣りを昨年再開しました。13年釣りを止めていました。
釣りの封印は、自分がアカメ釣りをしていて、アカメ釣獲のデータを釣り人に求めるのはアカメ釣りのポイントを教えて欲しいと言っているようなもので、これではデータは集まらないと考えたからです。
釣りはいよいよ楽しくておもしろいことを再認識しました。よくも13年も我慢してきたものだ『自分を褒めてあげたい』と思います。仲間は釣りを全て封印する必要はないではないかと言ってくれましたが、スズキを釣っていてアカメが釣れることがままあります。これが高知のすごいところ。もしアカメを釣ったら嘘つきになります。そこで、釣り全てを止めていたのです。
釣り人などのご協力で2000例を越えるデータを得て、これまで5編の論文に纏めました。これらの資料がアカメを正しく評価し見直す根拠となったことは間違いありません。
私が代表を務めるアカメと自然を豊かにする会が最大の目的としてきたアカメを高知県の「希少動植物保護条例」の指定種にしてはならないう課題は7年あまりの歳月をかけて実現できました。また、高知県レッドデータリストの見直しも進み、アカメが絶滅危惧1A類(ごく近い将来野生での絶滅の危険性が極めてたかいもの)などという馬鹿げた評価も覆して、アカメは普通種であると評価されるようになりました。
私も歳を重ね2017年で67歳です。すでに体はヨレヨレです。自然豊かな高知県に住みフィールドで遊ぶ楽しさを知りながら好きな釣りもしないで朽ちていくのは悔しいと、昨年釣り再開宣言をしました。自分に課した大きな目標を幾つか達成できたとことに少しは褒美もあって良いだろうと思いました。
言葉足らずのこともあり、釣り再開では誤解も多くあったようです。釣りを再開すればアカメも釣れるかもしれないという程度なのですが長野は本気でアカメ釣りを再開したと思われている方が案外多いのです。アカメに対するスタンスはまぐれで釣れたらそれはそれで嬉しいというところでしょうか。
さて、前置きが長くなりました。
7月23日、アカメを釣りました。これはスズキ・ヒラスズキを釣っていて思いがけずアカメがヒットしたものです。このポイントでアカメが釣れたのはこれが初めてだと思います。それほど意外な場所でした。ヒットして直ぐにこれはヒラの大型だ!と思いました。エラ洗いの水音の大きさと来たら・・・・・・
ドラグ音がじゃーとただごとではないのです。しばらくやり取りをしてこれはメーター級のヒラかもしれないと思い始めたものです。
何とか寄せてギャフをかけようと近づくと何とアカメではないですか。それまでのファイトぶりにそうだったのかと納得したものです。
今年の50尾目の釣果がアカメでした。これでアカメは今年2尾目です。
サイズは全長78センチ 現在、アカメの成熟について調査を始めています。ウエブなどで60センチから1メートルまでのサイズのアカメでお腹が大きくふくれているものを釣ったら標本に提供していただきたいとお願いしています。産卵期は6月から9月にかけてであろうと推測しています。腹太アカメを釣ったら是非キープして提供をお願いします。ということもあって、キープして標本にしました。
鱗の採集(胸鰭の下の鱗が再生鱗が少ない) 卵巣の採集 耳石の採集
2017年4月7〜9日の釣果(2017.4.16掲載)昨年、12月マルスズキを釣ってからこれまで何度か挑戦してみたのですが、どこも反応がありませんでした。今年3月、そろそろマルスズキが良くなるのではないかと、友人に教えてもらったポイントへ行くことにしました。連絡をすると何と彼もその場にいるというので駆けつけて、二人でキャストを繰り返しましたが反応無しでした。諦めていつもマルスズキが見えるという場所に案内して貰って移動。街灯の明かりが届く水面をのぞき込むと、いるわいるわ、ゆっくりと動き回りながらときどき反転しては何かを食べています。彼はこれまで何度も挑戦しているが、釣ったのは1回だけでほとんど見向きもしないと言います。けっして彼がへたくそなわけではありません。ルアーの名手なのです。釣れないという言葉に疑いを持つわけではないのですが追い求める魚の群を目の当たりにしながら何もしないでいられるほどの大人ではありません。
これはと思うルアーをいくつか試しましたが、彼の言うことに間違いはありませんでした。『ここのスズキを必ず』釣ってやるという決意を固めながら、タックルの思案をしながら家路をたどりました。
2017年4月7日、今年はじめての雨らしい雨が降り、川は濁りが出て増水、今年に入ってから、ずっと閉塞していた小さないくつかの河川も河口が開きました。 待ちかねておりました。
小雨が降る中、波は3メートルほどでうねりがありました。近くの河口へ朝5時ごろ行ってやってみたのですがノーヒット。それではと場所を変更、6時半ごろから4回ヒット、3尾をとって1バラシでした。数ヶ月ぶりに手にするヒラスズキの美しいこと。ルアーは全てKTLM8/9.5です。
帰ってすぐに料理、家族に刺身を振る舞うと「美味しい」の連発でした。ねかせると美味しいとも言いますが、絞めてから1時間以内の刺身はまた味が違います。
夕方、朝釣った場所へ行来ましたが、波が高すぎると判断して、場所を変更。朝はノーヒットだった場所で夕まずめ時から始めると、ばりばりとライズがはじまり、ヒットの連発、1尾釣ってからすぐに仲間の内川昭二さんに連絡しました。内川さんが到着するまでに、2尾を追加。到着した内川さんも2尾釣り、さらに私も1尾追加しました。バラした数は途中で数えるのは止めました。 ヒットルアーはTKLM8/9.5とTKRP9/12。
翌4月8日、今日も雨、昨日爆発ヒットの場所へ4時に行ったのですが沈黙です。それではと昨日の朝釣った場所へ移動。ここで一投目からヒットもバラシ、またもヒットこれも連続バラシ。3度目を取り込見ました。ここで3尾キャッチし1尾はリリース。その日は夕方、同じ場所で2尾釣釣りました。ヒットルアーはTKLM8/9.5。
4月9日、義兄も釣りたいというので、早朝4:30に待ち合わせて、昨日のポイントへ案内しました。朝まづめの5時過ぎに私にヒット、型の良いヒラスズキ。義兄は3回ヒットさせて2尾を取り込み、昨年12月以来の釣果だと喜んでくました。
TKLM8と9はよく活躍してくれて、もうこの二つのルアーだけで30尾以上のヒラスズキを釣ったのですがさすがに塗装は剥げ落ち、ぼろぼろになりました。 ヒラスズキの体型もそれぞれ個性があるのですが、このヒラスズキほど極端なせっぱりは滅多に見ません。レッドサーモンの雄のように背中が盛り上がっています。 ヒラスズキは美しい。そして美味しい。
2016年9月後半の釣果(2016.10.5掲載)9月20日から9月30日までの私の釣果をまとめてみました。ヒット総数が43回、その内バラシが14回、取り込み成功が9尾でした。ほとんどが増水後の河口域での釣果です。外道では50センチほどのナマズ、35センチほどのイダがあります。ひどい体験もしました。ある川で小型のヒラをかけてフックを外していた時です。プライヤーで針をはさんでいたときヒラがバリバリと暴れました。その拍子にフックが私の右手の拇の付け根に刺さりました。鋭いフックは何ということでしょう。皮膚に浮き出た静脈の血管の下を縫って向こう側に突き抜けているではありませんか。周りには誰もいません。暴れるヒラを押さえつけ何とかナイフでしめました。痛いこと痛いこと。私の利き手は右です。決心して思い切り、プライヤーで一気にフックを引き抜きました。それがとても上手くいって出血もほとんど無くきれいに抜けました。大昔、釣り人がアカメのフックを外そうとして指に刺さり、アカメを抱えたまま病院へと車に乗った話を聞きました。当時、フックを外すプライヤーなど持っている人はいたのかどうか。私のように皮膚の下を縫ったのと違い、深く刺さると肉が締め付けてなかなか外れないようです。気を付けなくっちゃ。
左、土佐レッドアイのリーダー内川昭二さん、右、アカメと自然を豊かにする会事務局長上杉一臣さん 9月後半はタックルハウスのリップルポッパーBKRP115. 140,TKLM8/9.5などが大活躍してくれました。 ある小河川の河口で釣った3尾のヒラは、磯の魚であるニザダイの幼魚を何尾も、もう1尾はニザダイの他に25センチはあろうかというグレを食べていました。別の河口域で釣ったヒラは大きなアユを2尾たべていましたが、同じ日に同じ場所で釣った2尾のヒラの胃には何も入っていませんでした。大増水で大量のアユが海に流れ込んだと思われるのですが、なかなか簡単には食べることはできないようです。
2016年9月前半の釣果(2016.9.20掲載)先の記事でヒラスズキのリリースを書きましたが、内川さんがリリースした理由が判りました。ただただ私よりもさきに釣っていたもののサイズが小さかったためでした。
なんだ。
9月に入って、秋雨前線やら台風やらでよく雨が降り川も増水し、ヒラスズキの条件がよく、ヒットが続きました。9月1日から19日まで集計してみるとヒット数が53回ありました。そのうちバラシた数が何と21回、取り込んだヒラスズキが14尾(2尾リリース)でした。サイズは48センチから82センチまで、多くが60センチ前後です。
ルアーはタックルハウスのM128 BKF125
年を取ったので、タックルもできるだけ負担が少ないように、釣りを封印した13年前と比べるとライトタックル?にしています。私のよく行くフィールドはアカメもくるため、ラインは最低でも20Lbでした。現在は環境に合わせて、ロッドは11フィート、9フィート、7.5フィート、6.6フィートを使っています。ラインは最大で16Lb、一番細いラインが10Lb。エバ用には4Lbです。アカメ用は昔からラインは30Lb、リーダーは80Lbか100Lb、これは変わりません。
細いラインに慣れていないためか、合わせ切れが2回もありました。私の合わせは誰もが驚く「ガイ〜〜ン!」という強烈な合わせ。だそうです。本人の自覚はありません。アカメとやり取りしていると最初に強力な合わせをくれてやらないと途中でよくバレました。フックの手入れや交換もしなかったのでサビもひどかったこともあるようですが。そのためか、合わせがいつのまにかそうなっていたのです。そんな調子で合わせるものですからまあ、切れてもおかしくはありません。いまは警戒してドラグをかなりゆるゆるにしてあります。
ルアー:タックルハウス TKLM80 この合わせ切れの1回は、大事な、ウエダのスーパーパルサーグリグリナナハンの先端まで折ってしまいました。10センチほど短くなりましたが、もはや修理の手段もなく折れたまま使っています。
釣ったのは全てヒラスズキでした。ほとんどが胃はぺちゃんこでしたが、そんな中で1尾の大きな胃を開いてみました。48センチの小さなヒラでしたが、何と、出てきたのは20数センチはあったと思われるダツです。折り畳むように胃に収まっていました。自分の体の半分の全長はあると思われる魚を食べているのです。他に、不明の魚1尾と川の小さなエビ(スジエビ?)が出ました。総じてあまり豊かな食生活はできていないようでした。
台風が近づいている9月19日、雨雲レーダーをみていると、未明から朝にかけて雨雲が切れているようです。しめたといそいそ出かけました。結果、3ヒット、1回バラシ、2尾取り込みました。
夕方、雨も大したことはなさそうだったので、またも出かけました。朝の場所ともう2カ所まわってみましたが、ノーヒット。夜、朝のヒラを刺身に、カマを塩焼きにしてカミさんや娘とビールで楽しんでいると、電話でした。内川さんからでした。「釣れゆうぜよ!」聞くと5尾キャッチしてその内の58センチは小さいのでリリースしたといいます。バリバリ当たりゆう、来いやと言うのですが、すでにアルコール入り。いかん、今ビールを飲みゆうき、ゆっくり楽しんでやと電話を切りました。
13年の空白はけっこう大きいですね。
こんな調子で9月は毎日のように、ヒラスズキの刺身、塩焼き、アラ炊き、アラの塩汁と食べていますが、ヒラスズキだけは飽きが来ません。本当に美味しい魚です。家族も大好きで、喜んでいます。釣りを再開してよかったなあと思うこの頃です。
初めてヒラスズキをリリースした(2016.8.31掲載)2016年8月30日、アカメを狙って釣りをしていました。昨日、アカメが2回、目の前で躍り出た所です。もう1回コンとヒットしたのですが、いずれもフックアップせずに釣りを終えました。悔しくて今日こそは釣ってやると意気込んでいました。
携帯が鳴りました。土佐レッドアイの内川さんからでした。「いまヒラが食いいゆう」2尾釣っているというのです。私がやったことがない環境での釣りです。釣れだしたら教えてくれと頼んでありました。「行く。今から直ぐ行く。」慌ててタックルを仕舞って車を走らせました。
現場に着くと「1匹キープしたが、6匹はリリースした。1尾だけマルスズキだった」と言います。これまで彼がスズキをリリースしたと聞いたことがありませんでした。どうしたことじゃろう?といぶかりましたが、よほどこの場所を大事にしたいのだろうと勝手に解釈。本当は冷蔵庫が沖で釣った獲物で満杯だったのかもしれません。
素直にリトリーブやキャストの方向などを教えてもらいました。こんなことは初めてです。我々3人は揃って一緒に釣りに行くことはほとんどありません。昔、スワックの仲間たちとヒラのシーズンや年末年始、足摺方面で遊んだ時は揃って出かけて楽しみましたが、普段は今日はここが釣れそうだと出かけると3人が揃ってしまうというパターンでした。内川さんには以前、アカメのアパート(今風にはマンション?)を見つけた時、案内してリトリーブやキャストについて説明したことが1度だけありました。
これで貸し借り無しです。
何と、どんどんばりばり当たります。サイズはそれほど大きくはないのですが、ライトタックルでしたので楽しめます。ヒット数はフックアップしなかったのも含めて10数回、バラシが6回、手前まで寄せてフックが外れ反動で飛んできて顔に刺さりました。それも左唇の直ぐ下、自分を釣ったような格好です。幸い少しだけ刺さっていたのですぐにはずせましたが、痛いながらも笑いました。60センチ弱のヒラスズキを2尾キープ。リリースしたのは2尾でした。
ヒットルアーはK-TEN BLUE OCEAN 125 二宮さんがリップをグラインダーで削った初期の3000本のルアーではなく、「あなたの良き想い出のために」が入っているルアーです ヒラスズキのリリースは今回が初めてです。生まれて初めて。こんな美味しい魚をリリースするなんて、この日まで考えたこともありませんでしたが、ここを紹介してくれて教えてくれた内川さんが1尾だけキープして他は全てリリースしているのですから、自分だけ全て持ち帰るのは引け目を感じたのが大きな理由ですが、マイナス60度の400リットルの冷凍庫もイノシシ、シカ、ハクビシン、チヌ(辻本さんに釣らせてもらい、さらにもらってきた)で満杯だし、美味しく食べるにちょうどいい数が2尾でした。
帰って直ぐ料理、取り扱うにも食べるにも60センチほどのヒラスズキがいいです。まあ、美味しかったこと。カミさんと舌鼓を打ちました。
同窓会+2016 (2016.8.17掲載)1995年から毎年7年間にわたって開かれた淡路島での関西のルアークラブやアングラーの集いから10数年たって、それぞれ歳を重ねたいま同窓会をやりたいと思っていました。2014年に第1回をやり、2回目となる同窓会+を2016年8月14日に安芸市伊尾木漁港で開きました。
呼びかけは土佐レッドアイと高知に移住したスワックの辻本 隆さんです。
久しぶりだったのは淡路以来の再会だった橋爪拓也さん、
感動の巨大魚と40年
(2016.7.24掲載)
「この素晴らしいアカメと環境をなくしちゃったら、高知は笑われるよ」
日本を代表するルアーデザイナー、二宮正樹さんの言葉だ。昨年まで浦戸湾で開き、10年目を機に終了した「アカメ釣り大会」に、いつも東京から駆け付けてくれた。
2014年第6回アカメ釣り大会で暴風雨にみまわれ、「いつかスズキの大会で何人かぶら下がったまま飛ばされたことがあるよ」などと恐ろしいことを言いながら本部テントが強風に吹き飛ばされないようにぶら下がる二宮正樹さん。
私とアカメとの付き合いは約40年。安芸市の釣具店で「ルアーで釣れる」との情報に初めて触れたのは1970年代だった。
「奈半利川河口で数年前から釣られている」「20キロを超えるぜよ」。
何?! それがたまるか―。
見たこともない巨大魚に思いをはせ挑戦が始まった。
その釣具店の天井には10キロオーバーの魚拓が貼られていて、魚名はスズキとあり、伊尾木川河口で釣られたものだった。少し変だなと思っていたのだが、実はアカメの魚拓だったのだった。釣具店もアカメを知らなかった。
当然のこと、当時は全くの無知。スズキ釣りの延長で挑戦するも、繰り返しラインを切られ、フックを伸ばされ…。相手の力は想像をはるかに超えていた。試行錯誤しながらタックルを強化して挑み続け、84年にようやく手にした初の64センチ。小型ながら、戦い尽くして横たわる古武士をほうふつとさせる風貌と深紅の目を見て、こんな魚がいるのかと感動して足が震えた。
このアカメを手にするまでにどれだけアカメに翻弄されたことか。ラインをとばされ、フックを延ばされ、テトラに巻かれ。手持ちのルアーが乏しくなった。この場所で大坪さんと2人、1週間ほど毎晩、手玉にとられた。この時、最大と思われるアカメは大坪さんがかけて20分あまりやり取りをしたものだった。隣で見ていて、それこそ手に汗を握ったが、アカメが水面近くにでてきたときは大きなウズがまいた。川の上流へ引き波を立てながらラインを引き出していき、最後は手前に突っ込んで来てテトラに入り込みラインが飛んだ。呆然とした。
どんどん魅せられていく私は、地元の内川昭二さん、大坪保成さんと3人でチーム「土佐レッドアイ」を結成。当時は「川が流れ込む海側でしか釣れない」「時合いは暮れてから数時間」と言われていたが、開拓精神旺盛な土佐人3人は一晩中釣った。川で釣った。川と離れた海域でも釣った。磯で釣った。昼間に釣った。常識を覆し、雑誌などで情報をどんどん発信した。
フロンティアが、そこにあった。
1998年にはホームページ「アカメの国」を開設。
当時のアカメ事情から現在の繁栄ぶりは想像もできなかったが、いまや高知のアカメは全国区となった。加熱の余り、トラブルも顕在化してきているが、釣りは文化、問題点はおだやかに解決されていくと信じている。
2003年、私はアカメの保護や生態調査をライフワークとすべく釣りを封印した。自分が釣っていて、ポイントなどの情報をもらうわけにはいかない。
ルアーフィッシングをやっているとアカメとスズキのポイントが重なることもあるためすべての釣りも同時に封印。
14年後、2016年4月、釣りを再開した6月にはアカメと思われるヒットがあった。アカメを避けて釣りをすることは無理であり、7月、アカメ釣りを再開した、データを頂いて知り得たアカメのポイントでの釣りをしない、昔からのマイポイントでの釣りという自分への条件を付けてだが、前期高齢者の仲間入りをした今、開拓をする馬力もなくなった。これまで学んだアカメ釣りのノウハウが新たな視点で強化できればと考える。残された少ない時間の一部をのんびりした釣りで楽しみたい。
さて、アカメは幼稚魚期、特殊な生活をする。限定された環境に集まって生活する。そこを販売目的の「幼魚取り」が狙う。これは釣りという文化とは縁もゆかりもないただの銭儲け「我が亡き後に洪水よきたれ」。
2007年に有志で立ち上げた「アカメと自然を豊かにする会」は、特殊な生態に見合った県保護条例の制定を目指して運動している。販売目的の採取の禁止▽キャッチアンドリリースの推奨▽県魚に指定―といった内容だ。
都市のど真ん中、新堀川にはアカメの保育場があり、県の保護種に指定されたシオマネキ、トビハゼも橋の上から観察出来る。ネオンの映る水面の下に130センチを超える巨大魚が群泳し、それを夕涼みがてら釣ることができる。こんな都市は世界でも高知市のみ。まさしく奇跡の自然環境だ。これを自慢しないで何を自慢しますか。
(「アカメと自然を豊かにする会」代表=安芸市穴内)
2016年7月7日、高知新聞「魚信」のページに掲載していただいた、高知のアングラー・リレーエッセイ「釣りという幸せ」(15)の原稿に加筆したものです。
6月はあまり大雨が降らなくて河川の増水もそれほど頻繁ではなかった。それもあってか、河口域のマル、ヒラとも成績はまあまあというところでした。
大きなアユを食べていました。17センチと12センチ、おまけに木の枝もアユと一緒に飲み込んだようです。アユは年魚とはいえ成長が早いです。4月中旬にヒラスズキの胃からでてきたのはほんとんどが5センチ前後でした。
マルスズキはじつに久しぶりです。大昔(私がルアーを始めた頃)はマルのほうが多かったのですが、いつのまにかヒラとマルの比が逆転、圧倒的にヒラスズキになってしまいました。このスズキは痩せていましたが、ヒラスズキ同様、とても美味しくいただきました。「夏のスズキは絵に描いて食っても旨い」といわれるほどですから。
河口近くの突堤で釣っていたのですが、この日は他にヒットが6回ありました。そのうち4回は足元まで引いてきたルアーを抜き上げる寸前のヒットでした。飛沫が飛んできそうなほど直ぐ近くでのヒットでばりばりばりと鰓洗いでルアーを飛ばされてしまいました。次にヒットしたら、瞬間ロッドを海の中に突っ込んで、鰓洗いの衝撃を和らげるようにやり取りしてやろうと思っているのですが、突然海が炸裂すると同じパターンでバラしてしまいます。年を取った脳と神経は思い通りにはいきません。
7月1日にアカメ釣りを再開してから第一号アカメを釣りました。7月2日、昔通っていたポイントでは今頃よくマルスズキの群れに遭遇していました。時にはスーパーライズがあったりしたことです。スズキは少し暗くなってきた頃が一番よく出ていました。それまでアカメをやってみることにしました。再開第1投目に使うルアーは決まっていました。K-TEN ブルーオーシャンBK SINKING WORKS175です。アカメ釣りを封印する前に二宮さんから頂いていたルアーで数回使用したのですが、アカメを釣ることができずいままで秘蔵してきたルアーです。175センチ、強度にとことんまでこだわったといわれていたとおり、どんなサイズのアカメが来ても対応できる信頼性を秘めています。
2001年、高知においでた二宮正樹さんはこれはどうですと試作品のBK175を見せてくれました(このページの一番下の記事に詳しくかいてあります)。数年前にアカメ用のルアーをつくってくれると約束してくれていたのですが、とうとう形になって現れたのです。しかし、それから少しして製品化されたBK175をいただいてからまもなくアカメ釣りを封印してしまって、このルアーでアカメを釣る機会がなかったのでした。
7投目に出ました。着水してベイトのハンドルを回して直ぐカンと当たりました。ルアーを銜えて躍り出たアカメは小型でしたが、10数年ぶりのアカメです。一気に鼓動が早くなり体が戦闘態勢に入りました。小型とはいえアカメ、さすがによう引きます。
寄せたアカメを見て思い出しました。こんど高知市にできる自然科学博物館での展示用標本に使うため50センチクラスのアカメが1個体欲しいとたのまれていました。仲間の岡田さんにお願いしてありますが、まだ入手できていません。このアカメは60センチを切っているようでした。手元で半身を出してみてみると魚体もじつに美しく、コンディションもよいアカメでした。これは大事にランディングして鱗一枚落とさないようにしようと慎重になりました。ギャフを巧くかけて持ち上げたまま、落ちるまでその状態を保って魚体を傷つけないようにしようとしばらくそのままでいました。アカメも弱ってきたのでそろそろ車のクーラーに収めようとテトラを移動しはじめたのですが、最後のあがきなのか突然暴れました。丁度足場の悪いところでなんとギャフから外れてテトラの間に落ちてしまったのです。幸いルアーはそのまま口に掛かっていたのでリーダーを掴んで引きづり出すことはできましたが、魚体は鱗が沢山剥がれて標本には無理です。もうリリースもできない状態だったのでキープして格部位を標本にすることにしました。
科学館の展示用標本のことですが、昨年、友人の植村壮一郎さんから提供していただいた、114センチはすでに剥製になっていますが、あと50センチ前後のアカメ1個体が必要です。もし、釣られておかまいなければ標本に提供をお願いします。条件は無償で、名前も表示されません。提供だけです。
よろしくお願いします。
2003年、アカメのデータを釣り人のみなさんから提供していただくために、自分が釣りをしていてデータを求めるのはポイントを教えてくれということと同義語だと、アカメ釣りを封印してデータを集めてきました。これは、アカメの誤った評価を事実で修正するためにデータが必要不可欠だったことからです。釣り人のみなさんから提供していただいたデータなどのおかげでアカメを人々から切り離すことになる高知県希少野生動植物保護条例の保護種指定から外すことができました。
現在、高知県版レッドデータブックの見直し作業が行われていますが、この基礎的なデータとしても重要な役割を果たすことは間違いありません。
アカメ釣りを止めると同時に他の釣りからもすっかり離れていましたが、前期高齢者の仲間入りをした今年から釣りを再開することにしました。元気で釣りができるのも残された時間は少ししかないのです。4月から釣りをしていますが、スズキのポイントはアカメのポイントと重なる所が多く、先日はアカメと思われるヒットがありました。釣り上げることはできませんでしたが、釣り上げるとアカメ釣りをやめると公言してきたことがウソになります。
データで知った未知の場所では決してアカメ釣りはしません。これまでよく釣っていた昔のマイポイントでのみアカメ釣りをやりますので、再開をお許しください。
2015年、辻本さんがたくさんのチヌの釣果をあげているので、チヌ釣りを教えて欲しいとお願いするといつでも案内しますと応えてくれたのですが、何かと忙しくて年を越してしまいました。2016年5月下旬、チヌがはじまったという辻本さんの、サイトへの書き込みを見てお願いをして教えてもらうことになりました。
チヌはいままで狙って釣ったことは一度もないのですが、ヒラスズキの外道で釣れたことがあります。
1989年頃から何年もスワックの辻本 隆さん、中村信夫さんたちと土佐レッドアイの3人が高知県西部の磯で年末年始、よく遊びました。ヒラスズキ三昧でした。中村市(現四万十市)のある磯を辻本さん、大坪さんと3人で攻めた時のこと、サラシの中でなにやら果敢にルアーにアタックしてくるのです。しかし、のりません。「くるけど、のらん」という私の大声に集まった大坪さん、辻本さんは、「なんやあれは?」「ひらめや?」とか言うのですが、サラシの中、ルアーを攻撃して反転していく姿は少し黒っぽいのです。
一人3投で交替しながら挑戦することにしました。私の番の時とうとうルアーに食い付いたのでした。それが、40数センチの老成したチヌだったのです。
さて、現代
辻本さんが今回案内してくれたのは、ごく普通の海岸で、磯のあいだにある砂浜でした。少し早く着いたので堤防に腰掛けて2人で腹ごしらえのパンを食べながら話をしていると、口に運ぼうとしていたパンがいきなりパンという音と共に消えました。トンビがさらっていったのです。しばらく感心しながらトンビを見ていたのですが、さらにしばらくしてまたもや私のパンがパンと同じように盗られてしまいました。「油断しているところをよく 見ているなー」と辻本さん、よほど私は隙だらけなのだなあと反省しているとこんどは辻本さんが2回同じように盗られました。なぜか安心してしまった私でした。
さて、浜に降りて始めました。浅いと聞いていたのですが、ルアーが底を掻きます。K-TEN ブルーオーシャンの75ミリを使っていたのですが、よく見るとシンキングでした。隣にいて教えてくれていた辻本さんが、見かねて同じルアーのフローティングを貸してくれました。
辻本さんは2投目で、チヌを釣り上げたのですが、私にはなかなか釣れません。2尾目を追加した辻本さんのあとで、ようやくチヌがきました。「やったあ!産まれてはじめて狙ってチヌを釣ったぞ」と叫びながら喜ぶ私をみて、「これほど喜んでもらえると案内したかいがあります」と辻本さんも喜んでくれました。この日は辻本さんが4尾、私もやっと2尾のチヌを釣らせてもらいました。
胃から出てきたチヌの食べ物を見てみると以外とイガイを多く食べていました。料理したチヌは先ず刺身、アラは塩汁と味噌汁で食べることにして最初は味噌汁、刺身も汁も旨かったです。そして、1尾まるごと煮付けにして食べましたが、孫は「美味しい、おいしい」と食べてくれました。
2016年4月18日のことでした。前日の雨で増水。安芸市のある河口域。明るい内に到着しました。濁りもきつく、枯葉などのたくさんの流入物が海に入っていました。
河口のきわで始めてからしばらくすると、右側でライズがはじまりました。かなり広範囲で波打ち際で小型のようですが、ヒラスズキのライズがたくさん出ているではないですか。「これがたまるか」、チャンス到来とライズめがけて駆けつけて投げ倒したのですが、ルアーへの反応はありません。13センチほどのルアーを使っていたのですが、スズキはどうやら流されてきたアユを補食しているようでした。
サイズを変えよう。現場で一番小さいサイズのリップレスミノー8センチに交換。
正解でした。交換して数投、ゴンとヒット。元気なヒラスズキでした。
翌朝、すでに波は収まり濁りも薄くなっていて、ライズもまったくありませんでしたが、ヒラスズキを一尾釣ることができました。
ヒラスズキたちは増水で流されたコアユを専食していたようです。この時食べていたアユのサイズは小さいもので4センチ、大きなもので7センチでした。まだ消化されていないアユを選び出してサイズを測ってみました。
アカメ釣りの封印とともに釣り全般から遠ざかっていたのですが、友人の辻本 隆さん(スワック、ロックダンス所属)の活躍に刺激されて、釣りを再開したいとおもっていました。実際に動き始めたのは2016年3月末からです。古いタックルをあちらこちらから引っ張り出して使えるのかどうかと確認作業を始めました。
リールはスピニングが9台、ベイトが6台。ロッドは昔パームスから提供してもらっていた未使用がたくさん、リップル、エビスのミスタードンなどなど。ラインは今はなきエムズクエストから提供してもらっていたものが、大きな段ボールにいっぱい。ルアーもいろいろなメーカーから提供していただいたものや、昔々購入したいまやビンテージ物がそれこそどっさりあります。
使えるのかどうか?一番心配だったのがリールでした。不精者の私はリールのメンテナンスなんてほとんどしなくて、使ったまんまで置いてありました。ベイトはすべて不動。塩の結晶やその塊りがこびりついています。スピニングも状態は似たようなものでしたが、こちらはスムーズとは言えなくとも動きます。特にペンは4台とも健在でした。たいしたものです。そこで4300SS、5000、6000、7000とありますが、新たに最新の4600を購入しました。スズキ釣りに良さそうなサイズだと思ったのです。届いたリールは思った通りのサイズで使い勝手もとてもよくて今使っています。ペンのスピニングは構造も単純、質実剛健、タフで長持ちでその上廉価と私の好みです。
ベイトは以前、バラしてメンテナンスに挑戦したことがあります。組み上げると部品が余ってしまいました。そのまま釣り道具店に持ち込んで直してもらったことです。それ以来、私には無理と判断して、不調になる度釣具店でお世話になりました。しかし、ネットで探すと今やたくさんのメンテナンスのやり方が紹介されています。写真解説などつらつらと眺めていると、「簡単です」とか「アブは構造が単純なので誰でもできます」とか「慣れると目をつむっていてもできる」とか。昔と違って少しは落ち着きも身に付いたことだろうし、これほど懇切丁寧な解説を見ながらやれば私にもできるであろうと考えてしまいました。しかしというか、やっぱりというべきか、部品が余るのです。20分もあればオーバーホールができるとも書いてあるところがあったのですが、何とか部品がすべて中に収まったのはほぼ1日がかりでした。しかし、動かないのです。もう一度バラして組み直しです。慎重になおも慎重に写真と見比べながら、動作確認をしながら組みました。カバーのネジも締める前に動作確認すると、動くではないですか。それもスムーズに、軽くスプールがまわります。なんということでしょう!
現在、3台のアブのベイトを可動にしました。自分を褒めてあげたい。
さて、4月2日、増水した安芸市のある河川の河口域へでかけました。流れ込みの東側に3人、西側に1人の釣り人がいました。私は西側に入って少し離れた場所で始めたのですが,薄闇の中ロッドを振る姿を見ているとどうも見覚えがあります。近づくとなんと内川昭二さんでした。久しぶりにフィールドでの再会を喜んだことでした。彼はずうっと現役で昨年は50尾ほどのスズキ・ヒラを釣ったそうです。しかし、この日は二人とも何も起こらずでした。
4月4日,雨後のある河口へ出かけました.朝暗い内にでかけて投げ通し、明るくなってから60センチのヒラメが当たりました.
2003年アカメ釣りを止めてから海から遠ざかっていましたが、魚が釣れると嬉しいものです。翌日には同じ河口で小型のヒラスズキを釣りました。
ヒラメもヒラスズキも孫たちの前で料理をしたのですが、椎骨に包丁が当たるたびにその横の鰭がぶるぶるピクピク動くものですから、驚く孫たちに、ヒトは他の生き物の命を奪ってそれを食べ生きているのだという食と命の教育ができました。イノシシやシカも解体現場をよく見に来るのですが、大きな魚の料理は初めてです。ちなみに、シカを血まみれになって解体しているのを見て「おいしそうやなあ!」とつぶやく小学校3年生はそうはいないと思います。
久々に自分で釣ったヒラメ、ヒラスズキとも、とても美味しかったです。家族一同舌鼓を打ち、たいらげました。
昨夜は仲間の内川さんにこたやかされたので、早朝でリベンジだとでかけました。今朝はすでに波はおさまっていることはわかっていましたが、濁りはすこしはあるだろうと思ったのです。昨夜とは違うポイントへ行きました。薄明かりに見る海はやはり凪いでいてヒラスズキの条件はあまりよくありません。
ライトタックルでやってみることにしました。小型のヒラスズキがよく出ているところでしから、ロッドはウエダのグリグリナナハン、リールはペンSS4300、ラインはエムズクエスト8ポンドテスト、12Lb.リーダー、ルアーはタックルハウスのテスト用に送っていただいていたTKLM″8T(リップレスミノー)イワシカラーでやることにしました。ルアー以外は一昔いや二昔以上も前のタックルです。いま流行りのPEラインなど、昔やったジギング以外では使ったことがありません。
ギャフを持っていこうか迷ったのですが、ギャフを必要とするような大型はこないだろうと車に置いていきました。
少し増水していて、流れ込みの周辺をさぐりましたが、反応がありません。だんだん流芯に近づいたその時、「ぐん」と当たったのです。おやヒラとは違う。重たいのです。これはアカメだろうと判断しました。アカメはときどき大きな衝撃をあたえるような合わせをしないときなど、平気でしばらく泳いでいることがあります。危機感をまったく感じず「何かヘンな魚(餌)だなあ」と思っているかのような気がする場面です。
焦りました。これは70センチ以上のアカメであろうと考えました。そのうちじりじりとラインが引き出され始めました。ロッドは満月のように曲がったままです。ドラグをギリギリと思うところまで締めロッドの反発力を頼りにやり取りをしました。20分、30分、糸を出されては巻き、出されては巻き、40分を過ぎたころからもうロッドをもつほうの腕はパンパンになりました。しかし、少しずつ寄ってきだしました。ただ、寄せてもこのラインでは浜にづり上げることは無理だとこの時ほどギャフを置いてきたことを悔やんだことはありません。ラインは150メートルは巻いてあるはずだからドラグを調整しながら100メートルほど距離がある車までギャフを取りに行こうかと本気で考えたものです。携帯でカミさんを呼んで、来ていただいて、ギャフをとってもらおうかとも考えました。しかし、魚を波打ち際に寄せたままで、沖に走らせないようにしながら、ドラグを滑らせながら車まで行って、ロックを開け、バックドアを開きギャフを取り出すのも大事です。カミさんを呼んで駆けつけて来てくれているうちに、バラしてしまったらどんな仕打ちがまっていることかと思ったりすると、これらの思いつきは諦めざるを得ませんでした。
波打ち際でさらに10分ほどやり取りをして波間にちらりと姿が見えました。何と。何と何と。大きなアカエイではないですか!タライほどある大きな体側の真ん中あたりの鰭にルアーが掛かっているのでした。アカメと思いながらも何か違和感を感じていた正体はアカエイだったのです。何とか波頭に乗せて体が水から出るところまで寄せましたが、波で海に戻ったり、また同じように寄せたりするのですが、毒針をもつ大きな尻尾をぶんぶん振り回すのです。とても素手では近づけません。
腹を決めました。ドラグを締めて波頭に乗せてできるだけ浜にずりあげ頭部からそっと近づき頭をもって引き上げてしまおうと方針をたてました。
イメージ通りに全身を出すところまで引き上げました。ラインを巻き取りながら近づいたその時、少し大きな波がきて、パシという鋭い音とともにリーダーの上から切れました。
アカエイはやれ嬉しやとばかりゆらゆらときえていきました土佐。
久しぶりの増水で早朝海を見に行くと大波で釣りは無理でした。こりゃあ夕方じゃと諦め仕事を終えてから出動することにしました。仕事をしながらも気もそぞろ。今日は何処に行こうかと気がはやります。
18時ごろある河川の河口部の浜に着くとすでに2人の釣り人がロッドを振っていました。2人とも東の川の河口です。それではと西の川の河口へ向かいました。
何と、夕日に輝きながら砕ける波は真っ黒に見えます。波高は2m強で釣りには丁度ですが、上流から落ち葉や枯れ枝、ゴミなどが大量に流入しているようです。波打ち際にも枯葉を主に、分厚くゴミが重なっておりました。自然のもの以外に、特に目に付いたのは空き缶でした。それはもう空き缶の回収ボックスを何十個もぶちまけたような有様で情けなくなります。変わり種はゴルフボール、海岸線を少し歩くだけで30個ほども見つけました。
始めましたが、気配がありません。掛かってくるのは枯葉ばかりでうっかりするとラインにづらりとひっかかり重たくなるほどです。しばらくやっていると数十メートル東で小さなライズがありました。増水で流されたアユを食べているようです。その場所へ移動し、ルアーをとっかえひっかえやったのですが反応なし。
東の川の釣り人も反応がなかったのか居なくなりました。そこで歩いて東の川の河口へ移動。こちらにはおどろくほど浮遊物が少なく、波打ち際もきれいなものでした。
夜のとばりがおりてきたころ突然後ろから「どう?」仲間の内川さんでした。「東側でやっていて、少し大型とおもうようなヒットがあったが、流れが西向きなのでまわってきた」と言います。もくもくと続けましたが全く反応がありません。内川さんの話では東側では流されて海に入ったアユ群のモジリが時々見えていたそうなのですが。
内川さんは河口の際によって流芯の東側に向かって投げているようでした。その姿がなにやらおかしいと思っていたら60センチほどのヒラスズキをぶら下げてきました。
「トップできた」とのことです。おめでとうと記念撮影。この日の釣果はこれだけ。18時から21時頃までやると前期高齢者のわたしはよれよれでした。
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2008年8月28日、「ルアーマガジン・ソルト」の取材で編集の中川さん、カメラマンさんとともにおいでた村越正海さん。前回はテレビの取材でしたが、惜しくも磯のアカメをバラしてしまって悔しがっておりました。今回はリベンジとなります。磯のアカメというシチュエーションがたいそう気に入ったようで今回、かなりこだわって集中的に狙っておられるようでした。 おいでた当日、何はさておき歓迎の「一杯やろうぜよ」となり、内川さんのお宅で宴会となりました。内川さんが、このために沖にでて釣ってきたというマグロの刺身、奥さんの手料理、大坪さんは釣りたての鮎の塩焼き、鮎の友づりでよくかかるという「みみなし」(ボウズハゼ)の唐揚げ、これは絶品でした。美味い!!。私はイノシシの旨煮。村越さんたちも山海の珍味に喜んでくれました。 翌日から磯を攻めまくった村越さんでしたが、ヒットはなかったようです。しかし、さすが村越さん、伊尾木川河口のサーフでアカメを狙って釣りました。70センチほどのアカメでした。9月発売の「ルアーマガジン・ソルト」に載るそうです。(画像左から、大坪、村越、内川、長野、小田各氏) |
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2008年3月28日、タックルハウスのご招待で高知市内のレストランで宴がもたれました。
釣り人、ルアー革命を果たされた設計者として著名な二宮正樹さんが来られるとのことでその日を楽しみにしていました。社の仕事、新開発のルアーのフィールドテストとカタログ用の写真撮影などが主な目的でした。
以前来高(このページの前の記事で紹介)されてからはや7年ほどの歳月が経ちます。50歳を超すと月日の経つ事が早い事、速いこと、一年なんぞあれれと言う間にすぎて行きます。
二宮さんは、すごくスレンダーになっていた音田順一郎さんと今回初めてお会いできた若いルアー設計者藤本泰也さんの三人でおいでました。
宴会の会場はKOCHI SEA PARADISE の古参メンバー田村 稔さんがオーナーシェフとして活躍している「ビストロ アミュゼ」という名のレストラン。田村さんは10キロオーバーのヒラスズキを釣られたり、多くのメーターオーバーのアカメを釣られたりと釣りの名手なのですが料理の腕前もものすごいのです。国際的な料理の腕前を競う大会でも3位入賞するなどされています。この日の為に腕を振るってくださいました。美味しかったです。
会場のお店で顔が揃った我が土佐レッドアイと二宮さんは同年代の同じ釣りの歴史を歩んだ仲間、しかし、口から出るのは体のあちこちの部位の不調。頭の不作(私はイノシシに引っこ抜かれました)や膝が痛い、肩が痛い、物忘れがひどい。のエトセトラ。
今回は二宮さんが満を持しての新開発、K2F142を紹介してくれました。高知に来られる前に既に長崎県五島列島でテストを開始しているそうです。この模様は二宮さんのブログ K-TEN Laboratory(タックルハウスのホームページから見る事ができます)に紹介されています。
開発の苦労話をお聞きして新しい「物」を創造するということの大変さの一部が判った気がします。
自分が釣りをして納得できるかどうかを試す為しばらく休んで鈍りがちの体を鍛え直す為の血を吐くトレーニング(大げさな表現ではありませんよ)や、世界最大の空洞試験設備を使っての命がけの空洞試験の模様など話してくれました。
K2Fは日本一(世界一)飛ぶルアーに仕上がったそうです。この新製品は夏頃発売になる予定だそうですのでご期待ください。
翌日から西部の磯でモニターの小田大蔵さんや西村好仁さん率いるKOCHI SEA PARADISE のメンバーとともに長崎とはフィールドが異なる高知の磯でのテストを予定されていました。この時の模様も二宮さんのブログに載るはずです、楽しみです。
完成のあかつきにはご自身が持ってきてくださると約束してくれました。その時は私たちの手料理を囲んでご苦労を讃えたいものです。
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こまい(小さい)けんどイカじゃ! 1999年4月には3.5キロのアオリイカを釣釣ったぜよ。3キロオーバーがどっさりあがりゆう。1キロや2キロは太いとは言わんぜよ。こんまいこんまい(ちっさいちっさい)。どんどん糸を出されて捕れんががようある。 とは、大坪さんの弁。 ガイドはこんなめっそうもないことはよう言わん。おお〜い、大坪さんおれんくの冷蔵庫すきまがどっさりあるぜよ。ア!いかん。アカメでいっぱいじゃ!!ひひひひひ |
2001年5月東部のある河口ではヒラスズキがよくでました。アカメもコンスタントにでています。
01.11.25 良き日
タックルハウスの2002年カタログの制作のため営業の音田さんとK-TENの設計者二宮さんが四国に入って大坪さん宅で一杯やるということになり、長野と内川さんにもお呼びがかかり集まった。ロックダンスの小田さんはタックルハウスのモニターでわたしたちとも仲良くさせてもらっている。われわれクラブの3人は最近はフィールドで揃うより一杯やろうぜよと集まることの方が多くなってきた。アオリイカの刺身、グレのタタキどれもこれも新鮮な土佐のサカナを肴に同じ喜びを共有する釣り人同志、宴はもりあがった。以前からアカメ用のルアーを作ってやると約束してくれていた二宮さん、お会いするたび気にしてくれていた。律儀な人である。これはどうですか?と見せていただいたのはまだ試作・テスト段階で発売間近のK-TEN BK175Sだった。見るからにタフでよく働きそうな気配を感じさせる。今回はこれだけしかないという貴重なテスト用をくださるという。これはもったいなくて使えません、市販が開始されてそれを使わせてもらいますので今日の記念に制作者のサインを入れて下さい。タックルの殿堂にいれます。と、二宮さんのサインをいただいた。「2001.11.25 良き日 M.NINO」と。その裏面にきょう集った仲間全員のサイン。
今年はK-TEN BK175Sを使ってタグ&リリース、それにサンプルを釣るぜよ。
建設中