第三回種子島調査

 2001年 月 日、三度目の種子島行です。今回も種子島に於けるオキノフナの幼魚の採集、あわよくば親魚の釣獲、聞き取り、それから今回は前々回は果たせなかったお隣の島、屋久島のオキノコイ調査がわたしの主な目的でした。屋久島は九州で一番高い山がそびえる島であり、世界遺産の島でもあり、アカメ(オキノコイ)の棲息がうわさされる島です。最初の種子島調査の際にもオキノコイを尋ねる予定でした。しかし、台風に追っ払われて果たせませんでした。

 今回は相棒の小西さんも温めていた計画がありました。彼の友人が屋久島でハマフエフキにキャインきゃいんと泣かされているので自分も「泣いてみたい」じゃなかった、その大型ハマフエフキを「あるシアイ(仕掛け)」で釣り上げて友人の敵討ち(鼻をあかしたい?)との大志をいだいているのでした。

 もう一つが「変なキス」問題です。それはこの一通のメールからはじまりました。

●もしやアオギス??? 01.8.1

 こんにちは、長野さん。

 そろそろ稲刈りですか? 暑い中 ご苦労様です。

 最近何度かキス釣りに出かけているんですが、今日、なんだか変わったやつがつれました。 アオギス??に見えるんですがここにも居るんでしょうか?

 そこで もしよかったら小西社長さんに連絡してもらえないでしょうか?必要なら クール宅急便でお送りしますと・・・。

 キスの ぶるぶるっ たまらないですねぇ。

 はまってしまいそう。

 これは仲間の園田豪さんからのメールです。わたしはキスは塩焼きか天ぷらの対象魚で、魚屋さんで買うほうが多く、めったに釣りはしません。何度か挑戦したキス釣りでよい成果をあげたことが無いのです。キスにはアオギスという種もいて、たいへん少なくなったいうことは「釣りサン」で知っていました。当時の「釣りサン」の小西和人(会長)さん・英人(社長)さんとアオギスのあいだにはただならぬモノがあります。

 さっそく釣った「アオギス?」はサンプルとして英人さんに届けられました。

 同定の結果、

 うちには、ぼろのルーペしかなくて、老眼と闘いながら、側線有孔鱗数とか、側線上方横列鱗数とか、数えてみました。

 たぶん、モトギスだと思われます。

 ぼく、アオギスも、モトギスも幼魚を見たことはないのですが、アオギスとは、イメージが違います。腹鰭の黄色も、もっとはっきりしていますし、第2背鰭の小黒点も、はっきりあります。

 側線上方横列鱗数が、5枚前後のようです。

 これシロギスが3〜4枚。モトギスが5〜6枚。アオギスが7〜9枚ですので、アオギスではありません。

 モトギスは、沖縄島以南となっているのですが、種子島にもいるのですね。

 (英人さんのメールより)。

 アオギスではなかったのですが、この報告例のないモトギスをもっとたくさん釣って標本にしたい。ということも今度の調査の課題になりました。わたしはキス釣りのシアイがないので、小西さんのものを使わせてもらうことになりました。ロッドからリール、全ておまかせです。


つづく

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