アカメの仲間苦いかショッパイか

 残念なことにわたしは食べたことがないのです。

 と、思っていますが、知らないうちにナイルパーチは食べているかもしれません。大手弁当チェーン店の白身魚のフライはナイルパーチだとも聞いていますので、わたしも食べているかもしれないのです。1994年1月28日付の土佐の地方紙「高知新聞」から、ナイルパーチについての記事を引用して日本とナイルパーチの意外な関係を見てみます。

  


    

『日本を結ぶ細い食の糸』:「高知新聞」より引用

 「ケニア西部のビクトリア湖。東北六県よりまだ広い世界第三位のこの湖にナイルパーチという巨大な淡水魚が住む。フナに似た灰色の背に銀色の腹。この魚が日本のファミリーレストランをにぎわし、学校給食や弁当の材料に使われていることはあまり知られていない。日本とケニアを結ぶ細い食の糸だ。・・・ 漁の基地、ドンガ村漁業協同組合によると、ナイルパーチはケニア人には不人気で、かっては一キロ当たり二シリング(現在価格で約三円)でかいとられていた。海外輸出が始まった一九八五年から高騰し、現在は同三十一シリングの高値を呼んでいる。七十キロの大物だと約二千シリング。若い警察官の月給に匹敵する額だ。 ケニア水産局によると、現在では全水域の推定資源量は五十万トン、ケニアだけでも関連事業を含め七十五万人の生活を支えている。 ・・・日本貿易振興会(JETRO)ナイロビ事務所の統計では、ケニアの対日輸出は一九九二年実績で総額二十八億円。このうちナイルパーチは約千七百トン、六億八千万円で、単品では断然トップ。ナッツやコーヒーをはるかに抜く輸出額だ。 輸入を手がけるマルハ(本社東京)によると、日本ではフライ、ムニエル、みそ漬けに調理。機内食や給食のほかに、主にファミリーレストランや弁当屋などで出されている。・・・(・・・共同)」


 この新聞記事を読んだときはびっくりしました。安くて、美味しい白身魚で大量に手に入るとなれば、大企業の漁業会社が見逃すはずはなく、販売網としても上記のようなルートは納得できます。

 こんど「ほか弁」を買ったら白身魚のフライは気を付けて、よく味わって食べてみようと思います。


 また、アカメ研究者の木下泉さんがJGFAの94年版イヤーブックに書かれた「アカメ」には、「中部アフリカの人々の重要な蛋白資源になっているのが、タンガニイカ湖のみに生息するL.angustifrons,L.mariae,L.microlepis,およびL.stappersi で、各々北でキャプテイン、サンガーラ、ノンジおよびミケケ、南でパンバ、パンバ、ニュンヒ、およびブカブカと呼ばれている。この内、後二者はタンガニイカ湖沖合いを生息圏とし、大型の L.microlepis はマグロのごとく、小型のL.stappersiはサンマのごとく群泳する。特にこのL.stappersiは世界のアカメ科魚類のなかでは、最も小型であるが、極めて美味で刺身、きずし、フライ、ムニエル、ソテー、何でも来いである。

 ・・・ タイでは、L.calcariferは重要な蛋白資源でありかつ超高級魚で、その養殖はタイガープラウン(日本津々浦々のスーパーマーケットに無頭エビとして並んでいる)と並んで、盛んである。近年、本種の種苗の大量生産に成功し、香港や台湾等の国外にも種苗を出荷している。東南アジアでちょっと高級なチャイナレストランに入ると、まず本種のフライあんかけが出て来る。・・・」と書かれています。


 引用ばかりで情けないのですが、いかんせん釣ったことも食べたこともないのでしかたありません。以上見てきたようにアカメの仲間たちも味の点では、評価はとても良いようです。

 上記はアカメ苦いか・・・とともにニフティのフォーラム◇さかな◇(さかなの不思議を考える)にわたしが書き込んだものですがこれを見て、さっそく(株)マルハのお客様相談室へファクスで問い合わせをしたかたがいました。

 それによると、(株)マルハの答え:ナイルパーチを原料とした製品(食品)は以下の名称でスーパーで販売されている。

★すずき(ナイルパーチ)

★すずきの醤油漬け・西京漬け

★レストランなどにも業務用として卸しているが、どのような料理に使われているかは、つかんでいない

これが(株)マルハの答えだったそうです。


 

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